「マネジャーの最も大切な仕事」要約、感情やモチベーションは大切だなと再認識

「マネジャーの最も大切な仕事」を読んで、チームのパフォーマンスを上げてるには、感情やモチベーションの大切さを改めて認識しました。

Kauzmichi Shirai

研究から導き出されたマネジメントに大切なこと

マネジャーの仕事は自由度が高いものであると思います。抽象的には与えられたリソース(ヒト・モノ・カネ)で結果を出すことであること考えていますが、実際に何をやるかは人それぞれではないかと思います。なので、私はもっといいやり方がないかを他の人に聞いたり、本から学ぶようとしています。紹介する本は定期巡回している川崎の丸善で見つけた本です。タイトルは「マネジャーの最も大切な仕事」、サブタイトルには「95%の人が見逃す小さな進捗の力」とあります。本書は26チーム、238人への日記調査からチームがパフォーマンスを発揮するためにどのようなマネジメントをすべきかという調査から来ています。12000もの日記を分析し、チームパフォーマンス向上につながるマネジメントを分析しています。

進捗をサポートし、パフォーマンスをあげる

サブタイトルにもあるように、本書ではマネージャーの大切な仕事は小さな進捗を見過ごさないことであると主張しています。正確にはやりがいのある仕事が進捗することをサポートすることが大事だとかしています。95%という数字は調査した669人のマネージャーのうち5%しか進捗の支援が大切だと答えなかったことから来ています。多くのマネージャーが目標設定や指導など別のことが大切だと思っているのです。なぜ進捗なサポートが大事なのか。それはインナーワークライフに大きな影響を与えるからですインナーワークライフは認識・感情・モチベーションで構成されていて、このインナーワークライフの浮き沈みによって仕事のパフォーマンスが浮き沈みするのです。つまり、進捗を支援することでインターワークライフが向上し、仕事のパフォーマンスが向上するのです。

インナーワークライフについてもう少し詳しく見ていきます。インナーワークライフは認識・感情・モチベーションから構成されています。認識はマネジャー、チーム、仕事、自分に対する印象です。職場でこれらのことをどのように認知しているかということになります。感情は職場で起こる出来事から生じる気分です。日々職場で起きることから変化する感情のことです。最後のモチベーションは何かをする、または何かをしない時の原動力となるものです。本書では感情について考慮することがマネジメントにおいて非常に大事であると書かれています。人は感情的な生き物で感情によってパフォーマンスが変わると私も思います。私のチームメンバーは実績経験のある人ばかりで自分でスキルを教えることはあまりありません。なのでメンバーの能力が100%発揮できるように感情面をサポートできるようにしていきたいと日々思っています。

やりがいのある仕事だと感じてもらうことがポイント

チームパフォーマンスを上げるためにやりがいのある仕事が進捗することをサポートすることが大事だということを紹介しました。ここでポイントになるのは、その仕事にやりがいがあるとチームメンバーに感じてもらうことです。ではやりがいがある仕事だと思ってもらうにはどうしたらいいのでしょうか。そのヒントが本書には「やりがいを失くす4つの道」として書かれています。これらを避けるようにしてチームが仕事に取り組めばその仕事はやりがいのある仕事となっていくでしょう。

やりがいを失くす4つの道

  1. 自分の仕事やアイデアがリーダーや仲間から相手にされてない
  2. 自分の仕事から当事者意識が失われる
  3. 自分たちが従事している仕事は日の目を見ないのではないかと疑念を抱く
  4. 頼まれた数多くの具体的な作業に対して、自分はもっと能力があるのにと感じてしまう

具体例からマネジメントのグッドプラクティスやアンチパターンが学べる

本書にはここに紹介した内容以外にも、チームが気持ちよく働けるように支援する栄養ファクターなども紹介されています。また調査した企業で見受けられた成功プロジェクトや失敗プロジェクトを通してインナーワークライフがどのように個人の感情に影響しているかが丁寧に書かれています。成功の具体例からよいマネジメントについて学べます。また、本書を通して、自分の行動がアンチパターンになっていることが見えてくることもあるのではないでしょうか。それを治すことによってよりチームのパフォーマンスを上げる可能性が十分にあると思いました。


マネジャーの最も大切な仕事
テレサ・アマビール (著), スティーブン・クレイマー (著), 中竹竜二 (監修), 樋口武志 (翻訳)