THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法
『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』のまとめ感想. チーム作りに役立つアイディアがたくさん書かれている良書。
THE CULTURE CODE ―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法 / ダニエル・コイル (著)
マネジメント業務をするようになってから、チームビルディングの本を読むようにしていて、手にとった。
チームを良くするために、 すぐに使えそうな具体的に書かれていて役に立ちそうな本だった。
リーダー業務をしている人やチームの雰囲気を変えたい人にオススメ。
うまくいっているチームについてこの本から学ぶことで、チームの改善に活かせると思う。
本書はチームについての科学的な調査結果や、成果を上げているチームについて実際にインタビューなどして得られた内容から、よいチームをつくるための方法を紹介している。具体的な方法も多く、すぐに役立ちそうな内容だった。
また、事例のチームについての紹介もおもしろいものも多かった。紹介されている例がおもしろいかは人によると思う。自分はスタートアップのエンジニアなので、ザッポスやベル研究所の話は印象的だった。
一番面白かったのはIntroductionの実験結果だ。
実験内容は、ある課題を与えてコンテストを開催して、チームワークを測るもの。
参加チームには、ビジネススクールの学生のチームもあれば幼稚園児のチームもある。
そして結果は、幼稚園児のチームがビジネススクールの学生チームに勝ってしまうのだ。
この本では、幼稚園児のチームが使った方法を解説している。
–> “ピーター・スキルマン マシュマロチャレンジ”で検索すると色々出てくる。
また、マシュマロチャレンジについてのTEDの講演もある。
本書によると、よいチームを作るのは次の3つのスキルが大切となる。
この3つのスキルが順番に紹介されている。
スキル1 「安全な環境をつくる」
スキル2 「弱さを見せる」
スキル3 「共通の目標を持つ」
スキル1 「安全な環境をつくる」
チームに必要な環境
- チームへの悪影響を中和する人がチームのパフォーマンスを上げる
- チームへ悪影響を与える人は性格が悪い人(攻撃的・反抗的), 怠け者(労力を出し惜しむ), 周りを暗くする人(愚痴や文句ばかり言っている)
- 安全を提供する行動で、悪影響を中和する –> 穏やかな態度で緊張を和らげる
- 中和する人のちょっとした行動がチームパフォーマンスを大きく上げる
- 安全な環境を築いているチームの特有のパターン
- お互いの物理的な距離が近い。よく輪になっている
- アイコンタクトが多い
- 握手、グータッチ、ハグなどの肉体的な接触がある
- 活気のある短い言葉のやり取りが多い
- チーム内の交流が盛ん。誰もがメンバー全員と会話する
- 人の話を遮らない
- 質問をたくさんする
- 人の話を熱心に聞く
- ユーモアと笑いがある
- 「ありがとう」と言う(ドアを開けてあげるなど、ちょっとした礼儀や親切を忘れない)
「「人類の脳は、対人関係のシグナルを読み取る能力がとても高い。私たちの脳には、『自分は他の人からどう思われているだろう』とつねに心配している部位がある。とくに自分より上の立場の人からの評価を気にしている。」
–> 管理職は気をつけないといけない
すぐにできそうな項目がたくさんあり、実践できそう。
この章だけでも、読む価値あると思う。
結束力のあるチーム
ウィプロの例が印象的だった。
会社の説明やロゴ入りのパーカーは意味がない。
「あなたはどんなときに一番幸せを感じますか?」「どんな仕事に一番やりがいを感じますか?」といった質問に答えてもらい、自分らしさを発見してもらう。
社名だけなく、自分の名前が入ったフリースを渡すほうが、大きく効果があった。
スキル2 「弱さを見せる」
行動のためのアイディア1
- 聞きすぎるほど聞く
- 姿勢と表情が大事
- 相手の話を遮るのは致命的
- 早い段階で自分の弱さを認める(特にリーダーにはこれが重要)
- 自分を完璧に見せたいという本能がある。しかし安心できる環境を作りたいなら、これは一番やってはいけない
- 自分を開示して、弱点も欠点もさらけ出す
- インプットを求める。リーダーから助けを求める。
- 悪いニュースを持ってきた使者を抱きしめる
- メンバーが悪いニュースを報告してきたときに、褒める
- 未来の約束をする
- しつこいほど「ありがとう」を伝える
- メンバー選びは慎重すぎるほど慎重に
- 興味深い項目だが、内容が少なく、参考にならなかった。
- 腐ったリンゴを取り除く
- 安全で、衝突がたくさん起こる場所を作る
- ここでの衝突は、メンバーが激しくぶつかることではない。メンバー同士が交流すること。
- すべての人に発言の機会を与える
弱さを見せる
ここは例が長いわりに、どう活かしたらいいかわかりにくい
行動のためのアイディア2
まずリーダーが弱さを見せる この本での弱さは自分が思っている弱さとちょっと違う。困っていることを伝えるくらいの感じか
- リーダーがメンバーにすべき質問
- 今私がしていることのなかで、このままずっと続けてほしいと思うことを1つあげるとしたら何?
- 今私があまりしていないことのなかで、もっとたくさんしたほうがいいとおもうことを1つ上げるとしたらなにか?
- あなたにもっと生産性を上げてもうために、私にできることは何か?
- メンバーに期待されていることをしつこいぐらいに伝える
- ネガティブなフィードバックは直接会って伝える
- 「価値のあることを言いたい」という衝動を抑える
スキル3 「共通の目標を持つ」
- リーダーはえてして、部下たちに自分の気持ちは通じていると考えがちだが、実はまったく通じていない。 つまりチームの優先順位をメンバーに知っておいてもらいたいなら、しつこいぐらい伝えなければならないということだ。空気と同じような存在になるまで、何度も何度も伝えなければならい
- キャッチコピーを多用する
- 効果的なキャッチフレーズの特徴は、シンプルであること、行動志向であること、そしてわかりやすいことだ。
- 「すごく楽しく、ちょっと変わってる」(ザッポス)、「言葉は少なく、行動は多く」(IDEO)、「勉強を頑張り、友だちに優しくする」(KIPP)、「岩を叩け」(サンアントニオ・スパーズ)、「よりよい場所にジャージを残せ」(オールブラックス)、「ゲストのために盛り上げる」(ダニー・マイヤーのレストラン)
本書の魅力
実際にマネジメント業務をしていて、実際にやってみたいと思えるアイディアがたくさんあった。
また、今までやってきて効果があったと実感してきた行動も書かれていた。
リーダーポジションにいる人はこの本を読めば、すぐに使えるアイディアが何かしら得られると思う。
2019/05/06に@katsushun89から指摘しただき、スキル1を修正しました.
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